京都大学
大学院附属生命科学研究科附属放射線生物研究センター
窮理養心塾プロジェクト
(科学リテラシー教育支援事業)

大学の知恵を使おう

◯窮理養心塾プロジェクト【概要と目的】
放射線生物研究センターは、福島原発事故後、放射線影響の専門家の協力を得て、福島県内の一般人及び小・中学校および高等学校の児童・生徒を対象して、2022年度末までに総計274回の放射線セミナーを実施しました。我々は、この活動を通じて、日本人の放射線事故に対する対応力が極めて弱いことを実感しました。その原因は、そもそも、現在の国民に放射線に関する基礎的科学知識が殆どないことと社会を構成する人々の相互信頼感が弱くなっていることにあると気づきました。放射線リスクコミュニケーションが円滑に行われるためには、(1) 放射線や原子力について基本的知識を備え、目の前で起きている現象を科学的・論理的に理解する能力を備えるとともに、(2) 科学的技術をひとを幸せにするために正しく利用できる人間的素養を身につけた人材を育てることが極めて重要です。福島原発事故後には、一時的に科学リテラシー教育の重要性が指摘されましたが、事故後12年を経たいまでもその取り組みは十分とはいえません。この二つの能力は、単に放射線事故のような危機的状況に直面した際に限らず、日常生活において抱いたささやかな疑問を解決するために必要な、 未知への挑戦意欲を駆り立てる力となります。
そこで、【窮理養心塾プロジェクト】は、小・中・高校生を始め一般人を対象に、大学等の科学者を派遣し、物事の本質を科学的・論理的に解析・理解する能力を養い、その科学的成果を安全で平和な社会の実現にのみ利用する人材の育成を支援することを目的として活動を始めました。

ここから窮理養心塾プロジェクトの2022年度の活動記録を見ることができます。
⇒2022年度の活動記録
⇒2023年度の活動記録
⇒2024年度の活動記録

⇒Qカフェin紀の川の活動記録



◯窮理養心塾プロジェクト受付【常時受付中】
私たちのグループは、皆様の要望があれば全国どこへでも出かけ科学リテラシー教育に関する勉強会を開催します。依頼者の希望をお聞きして、様々な形式の勉強会にも対応致しますが、特に、30名程度の少人数グループを対象として参加者との質疑応答を重視した講演会に力を入れています。それは、私達は、一方的な情報は、正確に伝わらないことが多く、それを回避するためには、 講師と聴衆が意見交換をおこなうことが必須であると考えているからです。勉強会には、幅広い専門分野の専門家を複数名派遣し、会話を通じて皆様が科学へ興味をもち、その知識を、日常生活に役立てていただくための学術的情報提供をおこないます。なお、派遣する講師等への経費は一切不要です。ご希望がある場合は、下記へ、メイルあるいは電話でお気軽にご相談ください。


◯申し込み先
京都大学大学院生命科学研究科附属放射線生物研究センター
担当者:原田 浩、松本 智裕、渡邉 正己
住 所:606-8501京都市左京区吉田近衛町
電 話:075-753-7551
e-mail : watanabe.masami.6x@kyoto-u.ac.jp


◯窮理養心とは?
この言葉は科学技術の探求に関する中国の古い成語「格物窮理」に発する言葉。「窮理」は、物事の本質を追い求めることで深く理解し、科学真理を追求することを意味している。「格物」は物事の道理をきわめることを意味する。加えて「養心」は、科学活動の結果、得られた成果をより良いひと社会を実現することのために使うとする基本的人間性を育むという意味を持つ。最近もてはやされている「科学的リテラシー」と同等の意味を持つ。


◯窮理養心の扉   ⇒題名をクリックして資料をダウンロードしてお読みください。
2014.09.11 澄んだ水滴になる
2014.06.08 物々交換の社会は理想
2014.02.12 たるを知る
2013.03.25 競争は何も生み出さない
2013.03.18 諌鼓鳥が鳴く
2013.02.20 社会の悪は病的ナルシシズムと知的怠惰が原因である



リンク
◯京都大学
◯京都大学放射線生物研究センター


June21, 2012, Ver.22, by Masami Watanabe, msm@rbnet.jp
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